ジャンプSQで連載している『憂国のモリアーティ』。
憂国のモリアーティがつまらないという声や作画が崩壊しているという声がります。
コナン・ドイル原作・原案の『シャーロック・ホームズ』。中でも犯罪界のナポレオンとも称され、かの有名な名探偵シャーロック・ホームズですら翻弄した犯罪卿モリアーティ教授の物語。
なぜつまらないと批評受けているのか。本当につまらない作品なのか。逆にどんな魅力があるのかをお伝えしています。
憂国のモリアーティはつまらないアニメという口コミ
まずは、なぜつまらないと言われているのか口コミ等見ていきます。そして、本当につまらないのか考察していきたいと思います。
- 作画崩壊の危惧
- 既視感のあるストーリー展開
- 原作・原案『シャーロック・ホームズ』と比べてしまうから
作画が崩壊しているから
憂国のモリアーティといえば、なんと言っても美しすぎる作画。モリアーティ三兄弟を筆頭に細部の線までもが綺麗に描かれていて、その演出も目を見張るものがあります。作画崩壊なんてどこから出た情報なのでしょうか。
アニメ制作会社は”Production I.G.”。どうやら同社の別制作アニメ”ハイキュー”が作画崩壊していたようです。そのことから本作である”憂国のモリアーティ”の作画崩壊が危惧されたことによる情報のようですね。
大丈夫です。第1期から全体を通して安定した綺麗な作画なので、安心して視聴できます。
黒執事などのパクリがあるから
この感想には共感できます。
この作品の原画は三好輝先生です。しかし、私も最初は原画はもしかして黒執事の作者である枢やな先生なのではと本気で思ったくらいです。それに、舞台も黒執事と同じイギリスロンドンの裏社会。
- 貴族
- アヘン
- 切り裂きジャック
- 豪華客船
など、共通するキーワードが多いからでしょうか。ストーリー展開も似ていると感じました。
そして、似ていると感じたのは黒執事だけではありません。話が進んでいく要所要所に『コードギアス』や『伯爵カイン』を思い出す既視感みたいなものがあったのです。
調べてみると、アニメには描かれていないものも含めて色んな元ネタが詰め込まれているようです。
- アメリカの映画『グッド・ウィル・ハンティング』
- 映画『007』
- ヴェニスの商人
オマージュが多いことからパクリと思われてしまっているのかもしれませんね。
女性向けに作られているから?
原作は少年漫画なんですが、アニメは女性向けに作られています。イケメンが強調されすぎて不自然に見えます。
そこに目をつぶれば面白いですよ。
引用元:Yahoo!知恵袋
繰り広げられる心理戦や頭脳戦、バトルシーンなどがしっかり描かれているので、大枠はちゃんと少年漫画です。確かに、モリアーティ三兄弟を筆頭にキャラクターのお顔が綺麗すぎるので、女性ファンの心もしっかり捕らえていると思います。
筆者自身、最初は全く気にしていませんでした。話が盛り上がっていくにつれてシャーロックとウィリアムに少しBLっぽさを感じてしまいました。
実際のモリアーティ教授は初老として描かれています。シャーロキアンからすれば、こういった女性受けのような演出が受け入れ難いのかもしれませんね。
- 少年漫画の中に女性受け要素が盛り込まれている。
- モリアーティ三兄弟を筆頭にキャラクターの顔が綺麗。
- BLを連想させる要素あり。
憂国のモリアーティの面白すぎるところは?
いくら批判されようとも人気があるのは明白です。では、『憂国のモリアーティ』の魅力とは一体何のでしょうか。ネタバレ感想も含めながらご紹介していきます。
- シャーロックホームズではなくモリアーティに視点を置いた設定
- 人をも動かす信念の強さ
- とにかく切ない
- 天才たちが繰り広げる心理戦と頭脳戦
- ウィリアムの完璧な犯罪計画と仲間のチームワーク
ダークヒーロー好きにはたまらない
本作は、かの有名な名探偵シャーロック・ホームズですら翻弄したモリアーティ教授に焦点を当てて描かれています。とても斬新で、正直良いところ突いたなと思いました。シャーロック・ホームズをオマージュした作品は幾度となく見てきました。しかし、モリアーティ教授が主役の作品は過去の作品を探っても意外とほとんどないのです。

本来のモリアーティ教授は冷徹で血も涙もない”完全なる悪”。原作・原案を知っている方は陰湿そうなおじいちゃんという印象が強いと思います。
対して、本作に登場するウィリアム・ジェームズ・モリアーティ教授は眉目秀麗な悪役主人公。

モリアーティ教授本人の影も形もありませんね♪
目的を達成するために手段を選ばず、影のあるダークなキャラクターは正統派とは違った魅力を感じさせます。原作と本作では悪役という立場は同じです。
だけど、ウィリアムは”犯罪卿”を名乗り、力を持たない人々を苦しめる”本当の悪”を罰していくのです。犯罪卿の行動全てを肯定することは出来ません。それでも何かを変えるために戦う姿は、やはり見る人を惹きつける魅力があるのではないでしょうか。
ダークヒーローにたまらないといわれる理由
- 意外となかったスト―リー設定
- 原作・原案とは違った人間らしさ
- 信念ある行動は人を惹きつける
ウィリアムとシャーロックの対立
作中、ウィリアムとシャーロックがどちらが先に事件を解決することができるのか勝負するというシーンがあります。もちろん二人の推理力は一級品。真相に辿り着くのはそう難しくないことです。しかし、犯人をつきとめる手段がそれぞれ違うのです。
シャーロックが現場の状況や証拠等から推理していくのに対して、ウィリアムは人間の心理から推理して犯人をつきとめていきます。それが探偵と犯罪卿らしさを感じさせるのと、天才たちが繰り広げる心理戦と頭脳戦がまた面白いのです。
本当は友達同士になれたはずなのに……
ウィリアムとホームズは敵同士。
ところが二人は船の螺旋階段で出会った時から互いに最高の友達になれると確信します。非凡たるがゆえに共感できるような何かを感じたのでしょう。実際、ウィリアムはシャーロックと出会ったことで唯一の理解者を得られたような気がしたと語っています。シャーロックも心のどこかでウィリアムが犯罪卿であってほしいと願うほどです。しかし、犯罪卿と探偵という立場上、当然普通の友達のようにはなれません。
犯罪卿の正体がウィリアムだということをシャーロックが知って、対面するシーンはなんとも言えない切なくて複雑な気持ちになるのです。
美しすぎる犯罪劇
この作品のメインはなんと言っても謎解きだけでなく、犯罪計画を企てたり、大胆な粛清を行ったりなどを繰り広げるサスペンス。ウィリアムの天才的な頭脳によって作り出された計画は完璧で、計画を実際に実行する仲間たちのチームワークもまた絶妙に良いのです。
犯罪卿という名の組織全員が自分がすべきことをちゃんと自分で考えて行動します。一見、バラバラのように感じますが、その根本は貴族弾圧という同じ目的を持って集まった集団。彼らには彼らの美学や正義があるのです。高いところでふんぞり返っている上流階級貴族の鼻っ柱を折ってやった瞬間は見もので、次はどういった手段を使うのだろうとワクワクします。
【まとめ】憂国のモリアーティがつまらないアニメといわれる理由は?実際は面白すぎる?
- 作画崩壊の危惧
- 既視感のあるストーリー展開。
- 原作・原案シャーロックホームズと比べてしまうから。
- アニメで大事なセリフや展開が大幅にカットされすぎ。
しっかり少年漫画の要素を描いているのにもかかわらず、女性受けを狙った作画ゆえにシャーロキアンからの批判を受けてしまいました。
また、アニメは色んな大事なシーンやセリフをカットしているので、原作よりも内容が薄くなってしまっているような気がします。綺麗で繊細な作画と壮大な演出に頼っているように思えるのです。しかし、原作・原案を知らないあるいは少しだけ知っているといった視聴者からの評価はかなり高いみたいです。
アニメオリジナルストーリーも含んでいる割にしっかりとまとまっていて、見ごたえがありました。
豪華な声優陣も魅力的です。
- シャーロックホームズではなくモリアーティに視点を置いた設定
- 人をも動かす信念の強さ
- とにかく切ない
- 天才たちが繰り広げる心理戦と頭脳戦
- ウィリアムの完璧な犯罪計画と仲間のチームワーク
誰よりも人殺しを悪としながらもイギリスの自由と平等のために”必要悪”を演じ続け、己の正義を全うするために自分の手を血で赤く染めるウィリアム。そして、事件を追う中で犯罪卿の真意に気づき、自分もまた己の正義をぶつけていくシャーロック。
犯罪という手段しかとれなかった犯罪卿とその一味がどういう結末を迎えるのか。罪を犯し続ける彼らにも救いの手は現れるのか。その行く末を見届けるのが本作の面白いところです。
憂国のモリアーティは断然、アニメよりも原作漫画『憂国のモリアーティ』の方が面白いです。
まだまだ紹介しきれない魅力がたくさん詰まった作品。アニメでも十分楽しめると思います。



ぜひとも憂国のモリアーティの漫画と小説も読んでみて欲しいです。